2021年度 理事長所信

佐渡青年会議所 49代 松本 和雅
不撓不屈 佐渡青年会議所 49代理事長 松本 和雅

はじめに

『私は佐渡が好き!』
このように自分の故郷を誇れる人はどんなに魅力的でしょうか。佐渡に住み暮らす子ども達がその想いを育めるよう、私たちの運動を通じて導いていきたい、そう考えています。

変化を求められる時流

2019年末に初めてその存在が確認された新型コロナウイルス(感染症名:COVID-19)は瞬く間に世界中で感染拡大を巻き起こしました。日本国内においても、一時は医療崩壊が危ぶまれ全国に緊急事態宣言が発令されるなど、日々錯綜する情報が多くの混乱を呼びました。これまでの私たちの生活も見直され、リモートワークの促進、フードデリバリーをはじめとした宅配サービスの充実、マスク着用と手指消毒の励行など、身体的距離の確保と3つの密(密集・密接・密閉)を回避する新しい生活様式に変化しつつあります。 青年会議所の活動においても今一度在り方を見直す必要があるため、変化を求められる時流を好機と捉え、持続可能で新たな発想を積極的に取り入れてまいります。

子どもの笑顔咲く未来に向けて

課題先進地域と言われる佐渡では、社会減による人口減少もその課題の一つです。とは言え社会減そのものではなく、島外へ出ていった若者がなかなか戻ってこない事こそが課題の根源にあります。現在、佐渡市では就職支援や転入者向けの住宅補助、子育て支援といったU・Iターンを促進するさまざまな支援がなされています。地域のための運動を続けている私たちにできることは何かを考えた時、佐渡の子ども達に、生まれ育った郷土への誇りと愛着を育めるよう導いていく事こそが大切ではないかと考えました。 空を朱鷺色に染める夕陽が沈む海、四季折々の変化を見せる山々、澄んだ空気とそれが魅せる一面の星空。この雄大な自然に囲まれて暮らすことの幸せを今一度感じ、子ども達が学校を卒業して島外へ出るそのとき、故郷への愛着を持ち″いつかこの大好きな故郷に帰ってきたい!″と思えているか、″二度と帰りたくない″と考えてしまうのか。前者を一人でも増やすべく、運動してまいります。

組織の拡大と充実

1945年の終戦から 4 年後の1949年9月、「新日本の再建は我々青年の仕事である」の志のもと日本で初めて設立された東京青年商工会議所(現公益社団法人東京青年会議所)、その後1973年に529番目の青年会議所として佐渡青年会議所は設立されました。戦後復興の一翼を担った青年の力を今また結集し、この困難を乗り越えなければなりません。私たちを含めた全国の青年会議所では、会員の拡大が永遠の課題としてあります。卒業という制度があるこの組織では、拡大をし続けなければ存続し得ないからです。今年度も引き続き会員拡大に注力しますが、そのためにまず組織をより魅力的なものにしたいと考えます。組織の魅力とは、そこに参加している会員が充実感を感じているか、魅力的な人財が組織にいるかが重要です。まずは私たちが佐渡を楽しむことで連携を高め、充実した活動を行い組織の魅力を増すことで会員拡大に繋げ、会員拡大でより魅力的な人財を増やす事でさらに充実した活動を行う、そんな好循環を確立します。 会員拡大とは、ただ新入会員を連れてくれば良いというものではありません。もちろん入会前に私たちがどういった運動・活動を行っているかを理解・納得していただくわけですがその後こそ重要で、その運動にどう携わるのか、この活動でどう成長できるのかを示す必要があります。入会したけど何をすればいいか分からない、と思わせてしまっては折角の人財も活動の意義を見出せず定着しません。新しい仲間を迎え入れるその時には紹介会員に限らず全員でサポートを行ってまいります。

故きを温ね新しきを知る広報手法

青年会議所は毎年組織が刷新される単年度制という特徴があります。時代の変化に柔軟に対応できることが強みでありますが、反面、継承させていくべき知識や経験が習熟されない面もあります。これまでの運動の中で感じた充実感、反省や改善点を次の活動にうまく活かすことで、私たちはこれからも成長し続ける組織であることが出来ると確信しています。広報活動においても、まずはこれまでの対外事業の広報手法を振り返り、佐渡島ならではの効果的で持続可能な手法を確立します。またSNSもこれまで以上に活用し、日頃の私たちの運動・活動を発信する事で組織の魅力を拡げ、周囲の理解を深めるとともに認知度を高めてまいります。

組織の心臓

総務(事務局)は組織の心臓であると考えます。佐渡市社会福祉協議会や日本青年会議所、北陸信越地区協議会、新潟ブロック協議会などをはじめとする関係諸団体の情報収集を積極的かつ能動的に行い、身体(組織)全体に巡り渡らせることで活動の停滞を防ぎ、円滑な組織運営に努めます。また同時に、来るべき創立50周年を見据えた若手メンバーの育成も行うことで、持続可能な組織としての基盤づくりを進めてまいります。

おわりに

今年度の各委員会は独立した4本の柱ではなく、積極的な情報収集から地域に即した手法で発信を行い、より魅力的で充実した組織を作り上げ子ども達の郷土愛を育むなど、それぞれの音を重ね合わせ美しい音色を生み出す四重奏のように連携してまいります。
子ども達が誇れる故郷にするために、まずは私たち青年がその背中を見せましょう。
We are Islanders!

2021年度基本理念

佐渡に誇りを持てる人財の育成と組織の拡充からなる存在意義の確立

2021年度重点事業

  1. 郷土愛を育む事業
  2. 大人が佐渡を楽しむ事業
  3. 会員拡大
  4. 会員の資質向上を伴う組織の充実
  5. 地域に即した広報手法の確立
  6. 積極的かつ能動的な情報収集と発信
  7. 円滑な組織運営
  8. NBC会員交流バスケットボール大会の実施
佐渡青年会議所 49代 松本和雅