2022年度 理事長所信


【はじめに】
佐渡青年会議所が誕生して今年度で50年目を迎えます。これもひとえに「明るい豊かな社会の実現」を目指し青年会議所運動を展開してこられた先輩諸氏の尽力の賜物であり、積み重ねてこられた歴史に深く感謝と敬意を表します。
50年の節目に理事長を務めることに誇りを持ち、受け継いだ高い志を風化させることなく次の世代へバトンを渡せるよう邁進する所存です。しかし2022年度の佐渡青年会議所は、過去数年の中でも稀に見る少人数でのスタートとなります。翌年には50周年事業を控えておりますが、このままでは周年どころか組織の存続すら危ぶまれます。この難局を乗り越えるためには抜本的な組織改革が必要であります。
【真のチームワークとは】
会員拡大は青年会議所の基本運動でありますが、佐渡青年会議所で拡大が進まない理由にメンバー間の協力体制に問題があると考えます。すなわち組織のチームワークが上手く機能していない現状を改善しなくてはなりません。ではどうしたらチームワークは改善するでしょうか。そもそもチームワークとは一体何を指すのでしょうか。
チームワークの定義は「チームの成員が協力して行動するための、チーム内の団結や連係」とあります。一般的にチームワークとはメンバー全員で力を合わせて物事に取り組むといったイメージを想定するのではないでしょうか。ただ私の思うチームワークは全然違うものです。私は入会2年目に45周年の式典セクションリーダーを任されました。その時は何をすればよいか分からず右往左往しましたが、それでも5年に1度の全体事業の足を引っ張ってはいけないと分からないながらも自分なりに考えて行動しました。無我夢中で事業に取り組んでいるうちに自分がすっかり青年会議所活動に熱中していることに気付きました。責任が人を育てるとは本当にある事だと感じた瞬間です。そして、この体験にヒントが隠されている気がします。
私が思うチームワークとは「皆で力を合わせる」ではなく「個々に力を出す」です。そして、個々に出した力の集合体がチームに大きなパワーを与え、そこで初めて連携が生まれます。皆で力を合わせるのは一見聞こえの良い言葉ですが、役割や責任に偏りが生じ、一部の人に負担が押し寄せる形となってしまいます。今の佐渡青年会議所が正にその状態です。会員少数問題を解決するためには拡大を進めて人財を増やす必要はありますが、まずその前に今の体制を見直し個々の力を引き出しやすい環境を整えることが急務だと考えます。私が体験したように一人ひとりが責任を担い、自分がやると意識を持つことで真のチームワークを確立できたなら、今の局面も乗り越えられると信じています。
【一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために】
今年度、佐渡青年会議所は委員会を一つにしました。青年会議所に入った以上、地域貢献のために己の時間を費やす覚悟を持ってもらいたいですが、無駄に時間を浪費することは私の望むものではありません。そのため、委員会の隔たりを無くし一本化することで、メンバー間の連携の向上と効率的な組織運営を図るべく組織再編を行いました。無駄を省き個々の負担を減らし、一人ひとりが輝けるよう役割分担とフォローアップを徹底します。一人はみんなのために責任を担い行動し、みんなは地域貢献という一つの目的のために各々ができることに全力を尽くし、お互いに刺激し合うことで組織の活性化に繋げます。次第に組織全体に自分がやるという意識が芽生え、共通の目的に向かって個々の能力を最大限に引き出せる、そんな好循環を確立します。
【郷土を愛する想いが原動力となる】
卒業という制度がある以上、会員拡大は必須ですが、組織を維持させるために誰彼構わず入会してもらう訳ではありません。止むを得ない事情がない限り卒業まで在籍し、積極的に参加する人財を求めています。明るい豊かな社会の実現のため私たちは自らお金と時間を費やして運動を行っていますが、それは自己犠牲や自己満足の精神では長続きしません。郷土を愛し、郷土の繁栄のために運動をすることに喜びを持つ心があってこそ最後までやり遂げることができるのです。郷土愛こそ原動力であり、その想いを共有できる仲間を集めることで会員の資質向上に繋がり、組織がより魅力的なものになります。真のチームワークの確立に郷土愛は必要不可欠な要素であり、組織改革の一環として郷土愛を醸成する事業を行う所存です。
【マンパワーの相互協力で共に地域を盛り上げる】
地域の発展につながる活動を行っている人は多数存在します。組織の枠を外せば、私たちは地域のために活動する同志と言えるのではないでしょうか。形は違えど根ざしている想いが共通しているのなら、協力し合える関係を築けるはずです。お互いの事業を協力し合うことで絆を深め共に地域を盛り上げていく所存です。また、この取り組みにより会員拡大の新たな可能性を模索します。
【むすびに】
青年会議所は「修練、奉仕、友情」を三信条としています。それぞれが別々に意味を成すものではなく、常に結びついてJC運動の根幹を示す信条と考えます。三信条を心に刻み組織の連携、郷土愛事業、相互協力に取り組むことで真のチームワークを確立します。
私たちが力を出しきれば何でもできる。無限の可能性がここにある。 One for all, All for one.
2022年度基本理念
『会員の心得』を胸に納め、一人ひとりが力を発揮し真のチームワークを確立する
会員の心得
一.会員たるもの地域の発展のために己の時間を費やすことを厭わない覚悟を持つべし
二.会員たるもの地域に貢献し、繁栄のために運動を行うことに喜びを感じる心を持つべし
三.会員たるものJCの一員である事に誇りを持ち、自分の想いを広げる努力をするべし
2022年度重点事業
- メンバー間の連携の向上と効率的な組織運営
- 郷土愛を醸成する事業
- 積極的な地域貢献事業への相互協力
- 会員拡大
